2008年03月15日
たった1回で世界を変えた広告(1)
この週末は趣向を変えて、
コミュニケーションについての話題です。
奈良県の遷都1300年を記念する
キャラクターが話題になっていますね。
子どものような仏さまに鹿の角が生えている
というキャラクターです。
このキャラクターは、最近のかわいさとか シンプルさを重視したキャラとは一線を画す、 ちょいリアルな感じが特徴ですよね。 気持ち悪いとか、仏さまに鹿の角なんて、 という批判も多数寄せられたことが話題になり、 キャラクターのネーミング応募には 1万4000通を超える案が寄せられたとか。 広告の制作では色々な案を提案するのですが、 表現案の決済のプロセスが煩雑な場合 どうしても無難な表現に落ち着くことがあります。 無難な表現は確かにクレームはありません。 しかしながら反響もありません。 その結果話題にものぼらず、 結局たくさんの時間とお金をかけて作られた広告が ムダ打ちになってしまうんですね。 つまり、 無難な表現は、広告効果という面から見ると、 危険な表現でもあるのです。 広告の歴史の中では、 たった1回世に出ただけで 世界を変えてしまった事例があります。 たった1回で世界を変えた広告として、 今日はアップルコンピューターのCM 「1984」をご紹介します。
当時コンピューターといえば、 IBMのマシンがほとんどでした。 そんな状況の中、アップルは、 誰でも簡単に使える画期的なインターフェイス (後にウィンドウズがパクることになりますが)を 特徴とするマッキントッシュを発表します。 CMはジョージ・オーウェルの小説 「1984」をモチーフとしています。 「1984」は高度情報管理社会において 全体主義化した近未来を描いた小説です (いま読んでも示唆的な内容なので ぜひ読んでみることをオススメします)。 CMのあらすじとしては、 情報を管理する「ビッグ・ブラザー」を、 ひとりの女性が破壊するという映像で、 「 1984年は、マッキントッシュが発表されるので、 オーウェルの『1984』のような時代にはなりません」 というメッセージで終わります。 ●動画はこちらで http://www.youtube.com/watch?v=OYecfV3ubP8 IBMという巨大企業が、 情報を司るコンピューターの市場を 独占しているということと、 その支配を打ち破る、 人間のためのオルタナティブなコンピューターが 生まれたのだ、ということを鮮烈に伝えるCM。 たった1回のオンエアのこのCMは話題となり、 テレビで何度も後追い報道され、 マッキントッシュがバカ売れし、 アップルは世界的なブランドとなりました。 アップルの創始者の1人である スティーブ・ジョブズの伝記によると (私はこの人を敬愛しています)、 当初は取締役会での試写で「過激すぎる」と お蔵入りになる予定だったそうですが、 広告代理店が買ったスーパーボウルの枠を キャンセルすることができず、 ギリギリのタイミングでドサクサ紛れに 近い形で納品されたそうです。 トラブルは奇跡を生むんですね。 クリエイティブ・ディレクターは後に 「Think Different」キャンペーンや、 アディダスの「IMPOSSIBLE IS NOTHIN」キャンペーンを 指揮することになるTBWA/シャイアット・デイ社のリー・クロウ、 ディレクターは「ブレードランナー」のリドリー・スコットです。 今見るとちょっと古臭い感じもしますが、 テンションの高さとメッセージはクールですね。 ちなみに1990年代、アップル復活の起爆剤となった 「Think Different」のCMはこちらです。 (英語版60秒)http://www.youtube.com/watch?v=XRxbgD8hZ8A&NR=1 (日本版30秒)http://www.youtube.com/watch?v=A6Ea1BSXPfo このナレーションのコピーを、 私は心に刻み込んでいます。 とても勇気が出ます。
クレージーな人たちがいる。 反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。 四角い穴に、丸い杭を打ちこむように 物事をまるで違う目で見る人たち。 彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。 彼らの言葉に心をうたれる人がいる。 反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。 しかし、彼らを無視することは誰もできない。 なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。 彼らは発明した。創造した。 人の心をいやし、奮い立たせた。 彼らは人間を前進させた。 彼らは人と違った発想をする。 そうでなければ、何もないキャンパスの上に 芸術作品は見えてくるだろうか? 静寂の中に、今までにない音楽が聞こえてくるだろうか? 私たちは、そんな人たちのために道具を作る。 クレージーと言われる人たちを、私たちは天才と思う。 自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、 本当に世界を変えているのだから。 Think different …少し長くなっちゃいましたね。 世界を変える、とか、 ジョブズとかのことになるとついつい 熱くなちゃうのでお許しを。 明日は1960年代のアメリカを 揺るがした偉大なキャンペーンをご紹介します。 ※おまけ 「ビッグ・ブラザー」を ヒラリー・クリントンに差し替えた動画があります。 http://www.youtube.com/watch?v=6h3G-lMZxjo オバマ氏の支持者が作ったのでしょうか。 政治家を正々堂々とおちょくれるのは リベラルなアメリカならではですね。
- posted by ecogroove |
- 07:07 |
- エコ・コミュニケーション |
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- Re:たった1回で世界を変えた広告(1)
- 私もジョブズを敬愛する者の一人です。
とりあえず「Think Different」10回見ました。
涙が出ました。
ジョブズのスタンフォード大でのスピーチも素晴らしいですよね! - posted by うっちー |
- 2008-03-15 22:00
- Re:たった1回で世界を変えた広告(1)
- うっちーさん、おはよう。
・Think Different.
・Impossible is Nothing.
・Just Do It.
この三つのコピーは、
私の心の支えになっています。
スタンフォード大のスピーチも
相当グッと来ますよね。
私は何かトラブルがあるたびにいつも冗談で
「いやあスタンフォードで講演するときの
ネタになるわ、ハハハ!」と言って怒られます(笑)。
私が日本人としては珍しく
ベジタリアン生活をしているのは、
環境のためでもありますが、
ジョブズとジョン・レノンという
心の中の二大スターもベジだというのも
大きな理由でもあります。
ミーハーなんですわ(笑)。
- posted by ecogroove |
- 2008-03-16 07:05
- Re:たった1回で世界を変えた広告(1)
- 「スタンフォード大の講演のネタに・・・」
なんて素敵な職場なんでしょう(笑)
私も最近玄米に切り替えましたが、まちがいなecogrooveさんのブログの影響ですよ。おいしそうなんだもん。
今日はこれから福岡で数少ないマクロビのお店に食材調達にいってきます☆ - posted by うっちー |
- 2008-03-16 16:17
- Re:たった1回で世界を変えた広告(1)
(誤)「まちがいなecogrooveさん」
(正)「まちがいなくecogrooveさん」
一文字抜けただけでえらい違いですね(笑)
気をつけます(><)- posted by うっちー |
- 2008-03-16 16:26
- Re:たった1回で世界を変えた広告(1)
- いやあ、
「まちがいなecogrooveさん」、
それ正しいです。
なにしろクレイジーな人間なので、
間違ってばっかですからね。
でもこれもジョブズ的な見方をすると
「意味のない間違いはない」ということになるので
(すげー身勝手なヤツだよね!)これはこれで
よいことなんだと思っています。
何千年も前に老子も言っています。
「全て善し」と。 - posted by ecogroove |
- 2008-03-16 22:15
- Re:たった1回で世界を変えた広告(1)
- そう言ってくれると思ってました!(笑)
- posted by うっちー |
- 2008-03-16 22:51
- Re:たった1回で世界を変えた広告(1)
- はじめまして。初めてコメントさせていただきます♪
同じくエコナコトブログhanna-webから来ました。
札幌の市民グループhanna(ハナ)のユッコです。
動画、拝見しました。すばらしい記事をありがとうございます!! - posted by ユッコ |
- 2008-03-20 04:39
- Re:たった1回で世界を変えた広告(1)
- ユッコさん、おはようございます。
Think Different、
気に入っていただけたようでうれしいです!
ちなみに、これまた世界中を
感動の渦に巻き込んだ、
スタンフォード大学での
ジョブズ氏のスピーチは以下です。
http://video.google.com/videoplay?docid=9132783120748987670
すべて、自分に向けられた言葉だと
思って聞いてみて下さい。
ああ、また、涙が…(笑)。
Stay hungry,Stay foolish.
謙虚なきもちで、ひたすらがんばる。
くそう、いいこといいやがるなあ。
こんなこと言われたら、
またMac以外のパソコン買えなくなるわ(笑)。 - posted by ecogroove |
- 2008-03-20 06:57

このキャラクターは、最近のかわいさとか
シンプルさを重視したキャラとは一線を画す、
ちょいリアルな感じが特徴ですよね。

