2008年03月16日
たった1回で世界を変えた広告(2)
たった1回で歴史を変えてしまった広告として、 今日は1964年に放送された 民主党のCMをご紹介します。
この年は大統領選挙の年でした。 選挙は共和党のゴールドウォーターと 民主党のジョンソンの争いとなっていました。 共和党はコミュニケーション戦略にあたり、 当時世界最大の広告代理店グループであった インターパブリックグループをパートナーに据え、 17億もの情報もとにコンピューターにより はじき出された科学的な媒体計画により 広告を展開していました。 対する民主党がパートナーに選んだのは、 「広告は科学ではなく、アートだ」と 宣言していた気鋭の広告代理店DDB。 DDBが制作したコマーシャル 「Daisy」は以下のような内容です。![]()
●動画はこちら http://www.youtube.com/watch?v=EG2G1wdwP48 女の子がひなぎくの花びらを 一枚一枚めくっていきます 「いつつ、むっつ、ななつ…」そして 10を数えるタイミングで「10、9、8」 という秒読みが始まり、ゼロ、 というところで画面いっぱいに キノコ雲が広がります。 そして最後のナレーションが強烈です。 ジョンソン大統領: 「原爆の世にあっては、お互いに愛しあうか、 死ぬかの方法しかありません。」 ナレーター: 「11月3目にはジョンソン大紋舘に投票しましょう。 家にいるなんて、とんでもない危険を冒さないでください。」 広告ではひとことも ゴールドウォーター陣営のことは 述べていないのですが、 見る人には当時水爆実験を行ない、 「ベトナムの密林を焼き払うためには、 核兵器の使用もためらってはならない」 とまで発言したことがあった ゴールドウォーターが大統領になる恐怖を 想像させるに十分な内容でした。 これを見てゴールドウォーター陣営は 記者会見で抗議し、民主党はこのCMを 1回の放送のみで打ち切ることにしました。 ところが強烈なCMが放送中止に なったことがニュースなどで大きく報道され、 結果的に広告のメッセージが多くの人に伝わり、 全米で大反響となりました。 選挙の結果は、 ジョンソンの獲得票は61.1%、 ゴールドウォーターは38.5%と、 史上最大の差で民主党が勝利を収めたのです。 どうでもいい内容のCMを100回打つよりも、 クリエイティビティの高い広告を1回打つほうが はるかに効果は高くなるということを この事例は示しています。 優れた表現は、 広告費の削減にもつながるんですね。 広告予算の少ない環境NPOなどは、 限りある機会を最大限に活かせるよう、 クリエイティビティには留意する 必要があるのではないでしょうか。 ●参考:西尾忠久さんのブログ「想像と環境」より http://d.hatena.ne.jp/chuukyuu/20080226
- posted by ecogroove |
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