誰も無視できない「エンデの遺言」

先週はエネルギーの記事を
たくさんお届けしました。

エネルギーとならんで、
社会の仕組みに影響を与えているもの、
それは、「お金」。

先日とある集まりで、
NHKスペシャル「エンデの遺言」の
DVD映像を見ました。

「モモ」や「はてしない物語」の
作者として知られるミヒャエル・エンデは、
社会に大きな影響を与え続ける
「お金」の根源について考え続けていました。

そしてエンデは、
グローバル化とテクノロジーの進歩により、
いまの経済の仕組みが行き詰ることを
予言していました。

お金は、自然にはない特徴をもっています。
・永遠である
・無限に増える 

地球上にある「物」は、いずれ朽ち果てます。
ところが貨幣となったお金の価値はなくなりません。
さらに、利子がつくことで増えていきます。

自然と反する性質をもつ「お金」が
商品として増殖することで、
お金を動かすことのできる限られた人が、
たくさんの人の犠牲と環境を踏み台に
豊かになる構造ができあがっているのです。

「格差」を利用した儲けを追求する金融の動きは、
これまでも何度か恐慌を生み出し、
戦争の原因となってきました。

この構造を解決するためのヒントとして、
エンデは20世紀初頭に実践された
オーストリアの地域通貨に注目します。

当時の不況のなかで、
ゲゼルという経済学者が考えた地域通貨は
「老化」します。
ずっと溜め込むことができないんですね。

使わないと価値が下がるのですから、
みんな地域で使うようになります。

はじめに労働の対価として支払われた地域通貨は、
どんどん循環し、新しい仕事を生み出し、
その地域通貨を発行した街は
奇跡の成長をとげました。
後にオーストリア国家から、
その流通を禁止されるまでは。

その通貨に書かれた宣言がすばらしいです。

諸君!貯め込まれて循環しない貨幣は、
世界を大きな危機に、そして人類を貧困に陥れた。
経済において恐ろしい世界の没落が始まっている。
いまこそはっきりとした認識と敢然とした行動で
経済機構の凋落を避けなければならない。
そうすれば戦争や経済の荒廃を免れ、人類は救済されるだろう。
人間は自分がつくりだした労働を交換することで生活している。
緩慢にしか循環しないお金がその労働の交換の大部分を妨げ、
何百万という労働しようとしている人々を
もう一度呼び戻さなければならない。
この目的のためにヴェルグ町の労働証明書はつくられた。
困窮を癒し、労働とパンを与えよ。


わずか13ヶ月で幕を閉じた
この地域通貨は世界中の注目を集め、
いまでは世界のあちこちで、
このアイデアをもとにした地域通貨が使われています。
アメリカのイサカアワー、スイスのヴィア、
オーストラリアの交換リングなど…。

地域通貨は国家が発行する
法定通貨を補うものとして使われていますが、
金融のシステムがゆらいでいるいま、
通貨の主流となる可能性を秘めています。

「老化するお金」(マイナス利子)の
コンセプトは、
社会の問題に関心のある人なら
コーフンできるネタだと思います。

人々は、お金を変えられないと考えていますが、
そうではありません。
お金は変えられます。
人間がつくったのですから。
(ミヒャエル・エンデ)

「エンデの遺言」は本でも読めますし、
テレビの映像はyoutubeでもアップされています。
とても面白いので、アップされているうちに
見てみることをオススメします。

●Ende`s Last Will(youtube動画)
(1)http://www.youtube.com/watch?v=3YeagjqoDpk
(2)http://www.youtube.com/watch?v=NnMtAoz578M
(3)http://www.youtube.com/watch?v=zLuutF8Qbgk
(4)http://www.youtube.com/watch?v=CnG5-4JtOY0
(5)http://www.youtube.com/watch?v=LutghTEf3hw
(6)http://www.youtube.com/watch?v=uaJdYDRasEU

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コメント

この記事に対するコメント一覧
Re:誰も無視できない「エンデの遺言」
僕の周辺でも、つい最近「マイナス利子」について話題になりました。いいですよね、地域通貨!

Re:誰も無視できない「エンデの遺言」
加藤さま、こんばんは。

北海道は、そうですね、
夕張とか、メロンマネーとか
あってもいいかもしれません。

金融の荒波とは関係なく、
地元の労働と資源と直結するお金。
地域通貨は、もっと研究されても
いいですよね。
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