2009年05月24日
もったいない学会が、もったいない。
昨日は「もったいない学会」のシンポジウム、 「なぜ、今、『低エネルギー社会』なのか?」に 行ってきました。 …といっても、始まってから2時間くらい たっていて、マトモに話を聞けたのは 大久保泰邦先生の 「狩猟型と農耕型思考における変革」だけでした。 レジュメやお話のなかで、 印象に残ったことを 箇条書きのメモで残しておきます。
長いですが、このシンポジウム自体、 かなり考えさせられることが多かったので、 個人的に記憶しておきたいのです。 ・欧米が脱石油を政府主導でやっているのは、 ロビイストに石油メジャーがおり、 オイル・ピークの深刻さと、 低炭素社会の流れを知っているから。 ・オープン・イノベーション …知材、技術や人間を限られた組織体の中に留めず、 オープンな場に持ち寄り、それらを融合させて イノベーションを図ること。 企業の中で棚上げになっている知材、 カーブアウト技術・人材が再活躍する機会を与え、 創造の場を活性化する。 ・カーブアウト …「切り出す、分離する」という意味を持っており、 文字通り、企業の中から事業を切り出すことを目的とする。 大企業の中で埋もれた技術や人材を社会の別組織として 独立させることを目指すもの。 ・イノベーション・スキームの相違点 (1)クローズド・イノベーション …「一つの会社」「自社開発」 「先発明主義、既存産業分野、発明権利型の重視」 「既存市場」「ゼロ・サム」 →日本はこの形が多い。 (2)従来のオープン・イノベーション …「複数の社会」「共同開発」 「ビジネスモデル主義、スピンアウト型分業、知材流通の重視」 「既存市場、漸増型新市場」「プラス・サム」 →アメリカはこの形が多い。 (3)知材パッケージ型オープンイノベーション …「複数の参画主体」「持ち寄り技術、共同開発、分散開発」 「与益主義、創成型協業、知材重層化の重視」 「既存市場、創成型新市場」「パラダイム・スパイラル」 →ヨーロッパはこの形が多い。 ※ヨーロッパが(3)をしやすい理由は、 長い戦争を経て奪い合うことが効率が悪いことを 経験として学習しているため。 ・科学政策について (1)アメリカ(オバマ政権) …広い国土をオープンなプラットフォームとし、 政府・学会・産業界からは「アイデア」、 国内・世界からは「人材、資金」を集め、 社会変革を起こす。 (2)ヨーロッパ …研究、開発、エネルギーを、 欧州内で外交により相互補完する。 (3)日本 …研究はあるが、「政策」がない。 部分は見るが、全体を見ない。 技術も下から積み上げる形(製鉄)。 この形は全体が成長しているなかでは成功するが、 成長が滞ってくると ゼロ・サムのシェア争いに 明け暮れ、発展性が見込めない。 ・狩猟型思考 …戦略重視、社会システムは流動的 ・農耕型思考 …技術重視、社会システムは固定的 ・低エネルギー社会実現のために (1)原点からの創造 (2)パラダイムの変革 (3)落ちこぼれ人材の活性化 (4)石油のない世界を想像できたものが勝つ ここで聞いたお話は、とても参考になりました。 私は「チョコレボ」や「R水素ネットワーク」など、 先生の言われるところの 「オープン・プラットフォーム」で 創発的な変革をめざすプロジェクトに 関わることが多くなっています。 日本でそのような取り組みをするときに ブレイクする課題が見えてきたような気がします。 プラットフォームはオープンでも、 企業などのプレイヤーのマインドがクローズドだと、 そのプラットフォームは機能しません。 これまでの日本にはあまりなかった、 オープンなマインドをもつ企業、組織、個人を 前向きなヴィジョンでつないでいくことが 必要なんですね。 シンポジウムの全体の主張としては、 以下のようなものだったように思います。 「もはや石油を基盤とした文明は続かない。 大量のエネルギーをよりどころとする 大量生産・大量消費・大量廃棄の社会から、 人間の幸福に奉仕する ムダのない、ほどほどの社会に すみやかに移行しないといけない」 ここは、大いにうなずけるところです。 また趣旨説明をされた山本達也先生の、 「正しいとか、正しくないとかは関係ない。 (自分の内なる心に聞いてみて) 心地よいか、心地よくないかの問題である。」 には、共感できるところがあります。 つまみ食いのような参加になりましたが、 とても勉強になりました。 ただし、ちょっと気になったところがありました。 年配の先生方の言動のふしぶしに 「私たちは知っている。 知識がないと話もできない」 というような雰囲気を感じたのです。 それは質疑応答のときに強く感じられました。 電気自動車の研究をしているという 東大の学生さんに対しては、 ほとんど、「ムダだからやめなさい」 といった感じで、彼の言い分はほとんど 封殺されました。「もうしゃべるな」 という圧力すら感じました。 アカデミズム、怖えー! といった近づきがたい感じ。 せっかくいろいろな知見をもっている 「もったいない学会」も、これでは 少数の賢者のサロンになってしまうのではと思いました。 それこそ「もったいない」ですよね…。 いろいろ感じながら眠ったところ、 対立と決裂をテーマとするシンボリックな 夢を見て、目が覚めました。 対立をエネルギーにしていくような 柔軟さとタフさが必要ですね。 …う〜ん、むずかしい…。 ●もったいない学会 http://www.mottainaisociety.org/ ☆いつも読んでいただきありがとうございます。 人気ブログランキングに参加しています ↓1日1回ポチッとクリックいただけると励みになります。 http://blog.with2.net/link.php?647478
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- 6月20日は世界難民の日 【 コミュニケーションが世界にできること。 】
- もったいない学会で出合った、エコ・コピーライターの丸原さんから教えてもらったのですが、6月20日は、世界難民の日だそうです。http://www.japanforunhcr.org/wrd2009/自分と家族の命を守るために、今まで住んでいたところから逃げ出さざるを得ない状況になるのが、多分、「難民」ってことなんじゃないかと思うのですが。そんな状況から、また平穏な生活に戻るって、大変なエネルギーがいることなんでしょうね。いつも、大変な目にあうのは、生活者なんだよなー。世界から戦争や紛争がなくなるように、世界から難民がいなくなるように、僕は自然エネルギー×コミュニケーションという分野から、貢献していきたいと思います。是非、Blogパーツ、みなさん貼ってくださいませー。 
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コメント
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- Re:もったいない学会が、もったいない。
- >アカデミズム、怖えー!
そうですね。こういうの、おかしいと思います。
本当にいい先生って、初めてその話を聞く人にも
わかるように、面白いと思ってもらえるように
話す人なんじゃないかなー、と。
(これは学生にも求められますが・・・)
お互いの専門分野を知らない人同士が話すって
大事なことだと思いますしね。
またお会いした時にこの会のお話も聞かせてください♪
- posted by さおり |
- 2009-05-24 11:06
- Re:もったいない学会が、もったいない。
- さおりちゃん、おはようございます。
アカデミックな「学会」が主催する
イベントとはいえ、一般向けなので、
オープンなものを期待していただけに、
ちょっとビックリしましたね。
わたしは「卒論がない」という理由で
大学を選んだほどアカデミックではないので(笑)、
大学の先生というものをあまり知らないのですが。 - posted by ecogroove |
- 2009-05-25 04:15
- Re:もったいない学会が、もったいない。
- そうですね、「勉強してからきなさい」派にも、慣れちゃうと慣れちゃいますが、コスタリカの歴史を研究してるとかタイの少数民族の言葉を研究してるとかじゃないですからね。
でも最初の話は、石油や石炭やウランのピークが
石油→もう過ぎた
石炭→2030年くらい
ウラン→そんなに遠くない(数字言ってたけど忘れました(汗))
みたいな具体的なデータが出てきて、「おおおお」と思いました。
相当エネルギー消費減らさないとダメっていう考えなんですねー。合ってますけどねー。でもどのバランスがいいかは考えていきたいところです。 - posted by しゃけ |
- 2009-05-26 02:37
- Re:もったいない学会が、もったいない。
- しゃけさん、おはようございます。
省エネは大事ですよね。
個人でできる省エネは
もう限界きてるので、
あとは産業界でしょう。
先生たちには、政策提言を
お願いしたいもんですね。
あの強い物言いを、
政治家や官僚たちに向けて
言い放ってほしいものです。
- posted by ecogroove |
- 2009-05-27 07:05


