2008年03月16日
池澤夏樹 光の指で触れよ
amazon 池澤夏樹『光の指で触れよ』 『すばらしい新世界』の続編。 読売新聞に連載時にも気にはなっていましたが、前作が未読だったので読まずにいました。読み終えてしっくり来る内容でした。もし新聞連載で毎日読んでもこんなに存応することはなかったと思う。泣く話ではないはずなのに泣けてきて心が浄化されました。出会う時期って大切ですね。 今年一押しの作品です。『すばらしい新世界』と一緒に読むことお勧めします。 以下は物語の核心部分に触れています。
林太郎の不倫で原因で、アユミは娘のキノコを連れて海外に行く。林太郎とアユミはどうなるのか? 林太郎とアユミには大きな溝が生じる。家族は不動のものではなく、突然壊れてしまうこともある。この夫婦はどうなるのかが、大きな流れの一つ。 さらに農業の話題が多く登場します。2008年は食の安全が問われる年のような気がします。食品がどんどん規格化されていくのは懸念を感じています。3、4年前から無農薬、減農薬の宅配の野菜を利用していて、自然の恵みに感謝しながらご飯を食べています。豊作になれば毎週同じ野菜が届き料理方法に悩んだり、悪天候では品数が少なかったりすることもあります。でも、今まで見たことのない野菜や敬遠して野菜を食べることで、体調が悪いことがあっても長引きこともなく自己免疫機能が高まってきた気がします。この数年間に生活の変化があったからこそ、この小説を素直に受け入れることができたのだと思う。 スピクチュアルやレイキ、アユミが体験するゲームなど、天使や神様、気なども信じない方がいるはず。でも、アユミが今後の人生を模索する様子はスピクチュアルそのもの。うまくいえないけど、わたし自身試されているな、と感じることもあるから。 息子の森介が新潟で体験する吹雪の日の出来事。現代社会は本当に便利になったと痛感します。だからこそ、忘れてきた何かを見つけ出したいから、この本の一字一句読み落とさないようにしました。都会は多分疲れます。そんなふうに感じる方には心が洗われる一冊になるでしょう。
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