2008年03月05日
風力発電の話 池澤夏樹 すばらしい新世界
amazon 池澤夏樹『すばらしい新世界』 芸術選奨文部科学大臣賞。 林太郎はヒマラヤの奥地に風力発電を設置するために現地へ旅立った。 この数年、強風が吹くことが多いと思う。強風が吹き荒れた日に風力発電の本を読んだ。単行本が刊行されたのは2000年。新聞に連載していたのもなんとなく記憶があるけど、2008年に読んだからこそ数々あるテーマが関心事のストライクゾーンに飛んできた。 エネルギーと環境問題の提議。少なくとも20世紀末に地球温暖化は試算されていたと思う。近年は気候の変動を目の当たりにする。昨年は一番暑い夏を経験し、熱中症にならないように対策をした。冬から春にかけてこんなにも風が吹くことが多かっただろうか?と記憶を回想。春一番はあったけど、高波の被害があったことから、海水の上昇などで風が吹きやすい気がする。この本の中でも、文明を手にいれて生活が便利なったことと、電力が普及していない地域で風力発電を浸透させることがいいことだろうか?と林太郎は考える。その気持ちを素直にボランティア活動をする妻のアユミにメールする。アユミの考え方は自然体で夫の気持ちを尊重しながら、自分の意見をもつ。時に一人間として、妻として、母として、離れた場所にいる夫に空を飛び恋文を送る。 また、林太郎が現地に行く旅の風景や体感は、読む者をその場所へ誘ってくれる。高い山へ登るときの高山病にならない注意点や、そこでの風習、食べ物、人と触れ合い。理路整然としていながら押しつげましくない文章。 時折、著者が登場し、ナビゲートする手法も面白かった。 風力発電が普及すればどんなにいいかと心の底から願った。ただ、この本が刊行して8年が経過し、エネルギー問題は今世紀避けて通ることの出来ない課題。原油高、バイオエタノールの普及が穀物の価格を高騰させている。本の中でも理念として資源の循環がでている。 読んでいると自然の恩恵に預かっていて、感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思った。 結構厚い本ですが読みやすい文章で、環境問題を知ることでき、旅気分も味あうことができる良著なので多くの人に読んで欲しいです。
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