池澤夏樹 光の指で触れよ

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池澤夏樹『光の指で触れよ』
『すばらしい新世界』の続編。
読売新聞に連載時にも気にはなっていましたが、前作が未読だったので読まずにいました。読み終えてしっくり来る内容でした。もし新聞連載で毎日読んでもこんなに存応することはなかったと思う。泣く話ではないはずなのに泣けてきて心が浄化されました。出会う時期って大切ですね。
今年一押しの作品です。『すばらしい新世界』と一緒に読むことお勧めします。
以下は物語の核心部分に触れています。


角田光代 八日目の蝉

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角田光代『八日目の蝉』。
希和子は愛人の愛娘を誘拐し、薫と名づけた。素性がバレルのを恐れながらの逃亡と育児。だんだん愛情が芽生えてくる。薫を離したくないと感情が膨らんでくる。

赤ちゃんを誘拐。ミステリーの要素を持ちながら、前半は母と子の逃亡記。犯罪者なのに血の繋がりのない親子を応援している。それは希和子の母性が前面に出ているからなのだと思う。後半は目線が変わり、家族の物語へ。前半の主観的な部分が、客観視され、事件のありようがまざまざと浮かび上がる。ミステリーの解明。希和子が事件犯すまでの経緯と逃亡、引き離された家族など。誘拐された薫自身の心情など。読んでいると、週刊誌の報道記事を読んでいる気分になるので、少し辛くなるが、最後は救いのある終わり方が良かった。
家族、子供を育てる環境などを問う形が、角田光代らしい表現の仕方でよかった。これはお勧めの一冊です。


地球の未来を考える

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『ロッカショ 2万4000年後の地球へのメッセージ』STOP ROKKASHOプロジェクト
SIGIZOさんが六ヶ所村の再処理工場について、坂本龍一さん、辻信一さん、河野太郎さんと対談し地球の未来を考える。
多くのイラストや解説よって、この施設の成り立ちや影響が解り易く書かれている。
さらに参考文献なども補足されている。
また、この本の印税はすべて地球環境を守るために使われます、と明記している。
この本の印刷には太陽光発電のグリーン電力を使用。
装丁は、鈴木成一デザイン事務所。
シンプルさが際立っている。
環境を考えながら出版された。
多くの方に読んでもらたい一冊です。


STOP ROKKSAHO
http://stop-rokkasho.org/


風力発電の話 池澤夏樹 すばらしい新世界

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池澤夏樹『すばらしい新世界』
芸術選奨文部科学大臣賞。
林太郎はヒマラヤの奥地に風力発電を設置するために現地へ旅立った。

この数年、強風が吹くことが多いと思う。強風が吹き荒れた日に風力発電の本を読んだ。単行本が刊行されたのは2000年。新聞に連載していたのもなんとなく記憶があるけど、2008年に読んだからこそ数々あるテーマが関心事のストライクゾーンに飛んできた。
エネルギーと環境問題の提議。少なくとも20世紀末に地球温暖化は試算されていたと思う。近年は気候の変動を目の当たりにする。昨年は一番暑い夏を経験し、熱中症にならないように対策をした。冬から春にかけてこんなにも風が吹くことが多かっただろうか?と記憶を回想。春一番はあったけど、高波の被害があったことから、海水の上昇などで風が吹きやすい気がする。この本の中でも、文明を手にいれて生活が便利なったことと、電力が普及していない地域で風力発電を浸透させることがいいことだろうか?と林太郎は考える。その気持ちを素直にボランティア活動をする妻のアユミにメールする。アユミの考え方は自然体で夫の気持ちを尊重しながら、自分の意見をもつ。時に一人間として、妻として、母として、離れた場所にいる夫に空を飛び恋文を送る。
また、林太郎が現地に行く旅の風景や体感は、読む者をその場所へ誘ってくれる。高い山へ登るときの高山病にならない注意点や、そこでの風習、食べ物、人と触れ合い。理路整然としていながら押しつげましくない文章。
時折、著者が登場し、ナビゲートする手法も面白かった。
風力発電が普及すればどんなにいいかと心の底から願った。ただ、この本が刊行して8年が経過し、エネルギー問題は今世紀避けて通ることの出来ない課題。原油高、バイオエタノールの普及が穀物の価格を高騰させている。本の中でも理念として資源の循環がでている。
読んでいると自然の恩恵に預かっていて、感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思った。
結構厚い本ですが読みやすい文章で、環境問題を知ることでき、旅気分も味あうことができる良著なので多くの人に読んで欲しいです。