棉の種

我々の衣服の素材の中で、重要なものの中に、木綿(コットン)がある。
最近、オーガニックコットンが流行ってきたのでご存知の方も多いと思うが、木綿が種から布になる過程において、
まず大規模農業を行うための土壌改良剤、
収穫を見込むための化学肥料、
害虫を防ぐための殺虫剤、
収穫に邪魔な葉を落とすための枯葉剤、
生成りの綿の色を白くするための漂白剤など、
世界の耕作面積の数%にしか満たない綿畑に、
世界中で使われる農薬のうち1/4(アメリカでは1/3)が使われているといわれている。

おまけに、綿の栽培は、日本国内での自給率はほぼ0%。
今は食の自給率云々とメディアで色々騒がれているが、
実際問題、日本が世界から全ての輸入をとめられてしまったら、
石油が当然入ってこないから化繊系の衣服は全滅(まぁ、しばらくはペットボトルの再利用で持つとかいうかもしれないが)、
絹は他の布の中で一番自給率の高いものだからまだしも、
麻系も作付け面積が非常に狭いし(特に大麻は育てるのに免許制だからかなり少ない)、
木綿などは自給率が無いに等しいので、手に入れようとしても、絹よりも高価な素材になるかもしれない。


そんなことを知ったのは、綿を育て始めてからなのだが、ベランダの植木鉢で、3年前より綿を育てている。
最初の1・2年はアメリカ原産の米綿、
2年目は米綿と共に、3年目の今年は単独で、千葉県の八千代共生会から分けて貰った日本の綿の在来種『大島在来』という和綿を育てている。

昨日、今年の種まきをしたのだが、その種がこちら↓

市販の種は、薬品で種の周りについている白いもの(これは綿の繊維)を溶かして売っているのだが、我が家の自家採取の種にそんなむごい処理を施す必要は無いため、そのまま。
(ただし、植え付け前に一晩水につけても、綿の繊維のせいで見てのとおり沈まないが、発芽率にはあまり響かないようなので気にしていない。)
上手く育つと夏頃には、プロフィール欄に載せている、綺麗な黄色いオクラに似た花が咲く。
そして秋から冬にかけて、綿の実がはじけて白いふわふわのワタが・・・。

ゆくゆくは、これを数年分集めて、手紡ぎで糸を紡いで、手織りで布を作って服にしよう、という
壮大な計画を立ててはいるのだが、
どうなることやら・・・


布をつくる

月曜日、ほぼ毎週仕事が終わってから、手織りの教室に比較的近所のユザワヤにあるユザワヤ芸術学院に通ってる。
通い始めて早一年ちょっと、
最初はマフラー一本作るところから、今度はつづれ織りという、『絵を織る』技法で作品を作ることになった。

どの作品も、まだまだヘナチョコなものばかりだけど、とりあえずちょっと進んだ技法に入ったばっかりだし、
まだまだ織りの方法には色々種類があるらしく、ほんの入り口を覗いているような感じでしかないけれど、
将来的には着尺の一本、服の一着も織れるようになってみたい。
さらにその内に、その布を構成する糸も、自分で育てて、自分で紡いだ糸を使ってみたい。
何年か前から綿も育てているけど、地面が無いからベランダで植木鉢栽培しかできないのがちょっと寂しい。このままでは、ちょっとした布を糸から作るのに、何年かかるのやら・・・


手織りを始めるようになって、3足千円で売っている靴下も、百均で売ってる下着も、実はありえないくらい安いものだということに気が付いた。
勿論、大規模生産されて作られた糸も、機械を使ってあっという間に織られたり編まれたりする布も、人の手で作られたものに比べれば安いのは当然なんだろうけれど・・・。

逆に、「高い」と言われる職人手作りの着物とかは、「高い」のではなく、「正当な価格」なんだろうとも気が付いた。
例えば職人さん達が1ヶ月かけて作った着物。
これを買うということは、これを作る期間にかかった職人さん達の生活費を支払うことであるし、
これを作った職人さん達に、自分には出来ない技術に対して対価を支払うことでもある。
それを考えると、「高い」着物と、3足千円の靴下。おかしいのは、どっちだ?