2008年06月06日
プロ意識。
商業施設デザインで生業を建て今年で19年を迎える。 この間、沢山の成功と失敗を見てきた、 若かりし頃はクライアントに沢山の事を教えてもらいながら仕事をさせてもらってる 立場なのにやはり若気の至りと言うか自我が極端に強く 根拠の無い自信で物事を相当強引に進めた事もかなりあった。 自らデザイナーと言う肩書きに本当の意味で自信を持てたのは 多分仕事を始めて4~5年目位の頃だろうか? その頃デザインした店が現存しているもっとも古い店舗で 1992年にオープンした苫小牧の赤兵衛と言う牛タン専門店で もう16年目であるが未だオープンした頃の形を残しそして未だに繁盛している。 3年~5年が寿命と言われる商業施設だが幸い僕が手がけさせて頂いた 店舗はオーナーの努力もあり10年目クラスの店舗がまだ結構残っている。 このことは僕の自信(自慢)のひとつである。 商業施設のデザインで最も大切なことは実は感性ではなく経験とデーター分析にある。 当然、感性(感覚)が占める部分も多々あるのだが素人が自分の感覚だけで 店創りをするとほとんど失敗に終わる。 ぱっと見なんの理由も無いように見える形にも全て理由があり そのひとつひとつの形がトータルでまとめる時に初めて空間に力が生まれる。 断片的にしか形を見れない素人が口を出すと失敗に終わる理由はそこにある。 入口の動線ひとつで店への期待感は大いに変わり庶民的にも高級店へも簡単に 姿を変える。当然店内のどの位置に座るかで視線は変わり落ち着かせる事も 賑やかに感じさせる事もひとつの店舗の中に同時に存在させることも出来る。 不特定多数を相手にする商業施設では偏った考え方はご法度で様々なシーンを 想像しいかに対応させられるかがキーポイントとなる。 この事は19年経った今でも日々研究中である。 飲食店の場合、当然のように食事が旨くなくては客は来ない 目新しい店を作れば一回は来てもらえるが不味ければ二度と来てもらえないだろう 味・サービス・プライス・雰囲気・・・・どれが欠けても店としては成り立たないだろうが 装置空間である店舗デザインは一体どの程度その店の売り上げに 貢献できるのか日々自問自答の繰返しではある。 巷では「誰々がデザインした店は繁盛するよね~」なんて話もたまに聞くが それは本当なのだろうか?一歩間違えば自己否定とも取れる発言だが 僕自身が店を選ぶポイントは店舗デザインでは無くそこに居る人が最重要で 店舗デザインはそれぞれのシーンごとの使い分けでしかないような気もする。 クライアントからしてみたら僕が食事の時に人を選ぶように 誰にデザインさせるかが重要なのかもしれない。 ひとつの店をデザインする課程で図面やパースや写真などを 駆使しプレゼンしても最終的な形を全て頭の中に描けるのは 担当したデザイナーしかおらずその出来上がりを信用してもらうしかないのが 現状である。(クライアントの中には図面は書けないのに平面図だけで 空間を認識できる人も極々稀に存在するのだが・・・・・・) まぁ~何にせよ想像以上に出来のいい物を造らなければプロとは言えず 毎回色々な研究・検索・勉強を重ね仕事をしている。 過去に一切何も言わず全てを僕に任せて店をデザインさせた クライアントが一人居る。 こちらが「これでいいですか?」と尋ねても「小出さんがいいと思うならそれで。」 としか言わないクライアントでこっちにしてみたらかなりのプレッシャーで そのクライアントとの勝負でもあった。そのクライアントは超有名な一流の美容師。 僕と同い年と言う事もあり感性も合い凄く充実した仕事をさせて頂いた。 当時の美容室はどこもかしこも白一色の時代だったがそんな何時流行が終わるか 分からないデザインには追随する気は僕の中には一切無く洋風ではなく 日本人のDNAの中に存在する和のマテリアルで空間を構成した 壁は京瓦に特別な素材を混ぜ左官し更に掻き落しと言う独特の表情を生む 贅沢な手法で仕上げたり障子をモチーフにした照明カバーや実際に和紙を 使ったオリジナルの照明器具までデザインした。 什器や建具は機能上無理な部分以外は全て無垢材をつかった実に贅沢な空間である。 美容室としては通常の坪単価の数倍以上のお金をかけ出来上がった空間を クライアントは凄く気に入ってくれその後は自宅のデザインも任せていただいたり 今も良き友人であり僕の髪を好き勝手にいじっている美容師である。 そして当然僕のお陰ではないが店は大成功し結構裕福な暮らしをしているようである。 互いの「プロ意識」がうまく融合したケースだと思っています。 今夜も8月にオープンする店をデザインしつつこんなブログを書いてます。 何だか長文でしかもまとまりの無い文章になってしまったがこの続きはまた後日・・・・
- posted by koide |
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