田舎暮らしは最悪だ

 愛媛から上京してきた友人がいて、ふと田舎暮らしの話になった。
 「田舎の人たちってみんな優しくて、ゆっくりと暮らしてて、都会の生活に疲れたりした人とか、自然と一緒に暮らしたいとか言う人が、田舎暮らしをするのが流行ってるよね」
 というような話をしたら、「お前は何も分かってない」と言われた。「田舎暮らしなんて最悪だぞ」と。以下その友人の話。

 「みんな優しいとか人が温かいとか言うけど、あれ嘘だからな。優しいとかじゃなくて結束が固いだけなんだよ。だから仲間内にはすごい甘いけど、一旦仲間の輪から外れたら一巻の終わり。人生終了。もう取り返しつかない。
 だいたい冷静に考えてみろよ。「村八分」って言葉はあるけど、「町八分」とか「市八分」とかあるか?ないだろ。それだけ田舎は人間関係が厳しくて、みんな仲間はずれにされないようにビクビクしながら生きてかなきゃいけないんだよ。
 考えてもみろよ。この間駅で8人殺したといういう事件、あれ茨城だろ。駅で人突き落としたのは岡山だ。ちょっと昔だとバスジャック事件起こしたのは山口だし、先生をナイフで刺した奴がいたのは宇都宮だぜ?みんな郊外じゃねーか。
 田舎なんて1度引きこもりとかニートとかになったら誰も助けてくれなくて、人生落ちこぼれたらもう自分が死ぬか人殺すかしかねーんだよ。最悪だろ?」

 「そんで田舎の奴、って頭悪いじゃん?いや、人としてどうこう、ってことじゃなくて、田舎にはジュンク堂書店も紀伊国屋書店もないから、難しいためになる本なんてどこ探してもないし、遊びなんて駅前のパチスロかゲーセンくらいしかないから、何をどうやったって頭が良くなるような環境じゃないんだよ。
 だから落ちこぼれもハブなんだけど、頭良くて政治とか経済の話してもハブ。KYだよKY。意味分かんねーよ。」

 「なんか農業とかやろう、って流行ってるじゃん?農業なんてマジ最悪だからな。雨とか風とかになったら、わざわざ外に出て様子見に行かなきゃいけないし、農薬撒く時、夏でも完全防備しないといけないから暑くてたまんねーし、暑すぎるとか寒すぎるとか、夏なのに寒いとか冬なのに暖かいとか、もうどうにもなんないことで収入ばったばった減るしな。
 今実際農家、って減りまくってるじゃん。営業なんかでもさ、給料低かったり残業あっても、やりがいがあって楽しいから、って仕事続けてる奴だっているわけじゃん?
 それなのに、農家はばったばった減ってるんだぜ?どう考えても、農業なんてやりがいもなければ楽しくもね、ってことじゃん。何も分かってねーよな」


 言葉は乱暴だが、一理あるな、と思って感心してしまった。
 人は現実から離れて理想の世界を描くとき、どうしても自分にとって都合のいい一面だけを、夢の中で見てしまいがちだ。
 だが、この殺伐とした都会の生活から離れて、田舎に移り住んだとしても、田舎だって現実だ。嫌なこともどうにもならないことも、みもふたもない下世話な事実もたくさんある。
 理想の世界を描いてみても、夢の世界なんてどこにもないのだ。そう割り切ることも、理想を描く際には重要なのではないだろうか。

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もっともですが、しかし、、、 【 "green is green" osaki blog 】
「人は現実から離れて理想の世界を描くとき、 どうしても自分にとって都合のいい一面だけを、 夢の中で見てしまいがちだ。」 よっひ~さんの言葉がぐっときました。 私は一度、地方(ここでは地下鉄のないところを地方とします)に住み、 適応ができませんでした。 地元に帰り、田舎のことをぼやきまくっていました。 ただ、当たり前ですが、地方にはその地方のルールがあり、 よそ者は従うのが普通です。 従わなければ、笑いのマネジメントを受けるかもしれません 笑 大学に進学したので、数百万というお金を浪費してしまいましたが、
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コメント

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Re:田舎暮らしは最悪だ
 osakiさん、トラックバックありがとうございます。
 ご指摘の通り、この記事は決して「田舎は悪いところだ」と言いたかったわけではなくて、「人は現実から離れて理想の世界を描くとき、 どうしても自分にとって都合のいい一面だけを、 夢の中で見てしまいがちだ。」ということを主張したかったのです。
 
 例えばつい先日も、新聞か何かで、農業を志して田舎で第2の人生を歩もうという、団塊の世代のおじさんの記事があって、記事では「道のりは長く険しいが、その瞳は希望で満ち溢れていた」なんて書かれたりしていたのですが、ああこの人絶対具体的にどれほど道は長くてどれほど困難が待ち受けているのか、という現実的なリスクマネジメントをしていないんだろうなぁ、と考えてしまったわけです。

 有名な逸話で、大リーグのイチロー選手は、小学校の卒業文集で既に大リーグを目指すことを公言していて、文集には、「大リーグを目指すためには中学何年までにレギュラーを取る必要があって、そのためには中1の時点で、1リーグ何本ホームランを打てば認められて、そのためには毎朝どのくらいの時間筋トレと素振りの練習をする必要があって・・・」という具体的なプランが網羅されていたそうです。
 「夢を見る・夢を掴む」とはまさにそういうことで、「現実だって現実、だが夢だって現実」という具体的な「ドリームマネジメント」が、理想を描く際には必要な心がけだと思うのです。
Re:田舎暮らしは最悪だ
この愛媛の人の話面白いね。
田舎の人口が減っていて何とかせなあかんというとき、実はその大きな要因ってこういう田舎の後進性みたいなとこにあるんだけど、マスコミも含めて誰もそういうこと言わないよね。

ドリームマネージメントはとても大事だね。
これはドリームじゃないけど、年金問題報道を見て
いつも不思議なのは、「この国の人はいつになったら年金改革の話を始めるのかなあ?」っていうことです。
だって年金問題の本質は、「若い人の保険料で高齢者の年金を賄う」構造から「若いときに保険料を払って、運用してもらってそれを好例になったら受け取る」仕組みに変えていくことですよ。そこに混乱が起きるから改革プランを作らないといけない。
でも来る日も来る日も不祥事の報道ばかり。
まさか不祥事なくなれば年金問題解決するとか思ってないよね。

温暖化もそうですよ。地球の二酸化炭素は産業革命の時から増えている。江戸時代後期の生活してたって二酸化炭素増えちゃうんだとしたら、アイドリングストップやレジ袋削減くらいじゃもう全然おっつかないよね。劇的に削減する目標を立ててそこに到達するためにどういうシステムを導入したらいいとか逆算して考えないとダメなのに、「小さなことの積み重ね」で何とかなるなんて思ってる。
Re:田舎暮らしは最悪だ
>>カサゴさん

 この友人の場合は、単純に何もない田舎が大嫌いなだけだったかもしれません(笑)。

 田舎に関しては、問題がかなり歪んでいて、例えばIT事業なんかはネット回線さえあればどこでも立ち上げられるのだから、ライブドアとかマイクロソフトみたいな企業が田舎に立ち上がってもおかしくないのに、誰もそういう発想に行き着かないし、逆に「ファスト風土〔http://www.culturestudies.com/city/city04.html〕」化によって均一化された風景が地元の事業を駆逐した上に、そこで凶悪犯罪が多発した挙句、イオンなんかはその「ファスト風土」でできあがった店舗を大量に閉鎖させたりしている。
 どうすればいいのか、ということが、本人たちにもまったく分かっていない状況なんですよね。
 なんでどうすればいいのか分からないのか、というと、「地元経済を復興させるにはどうすればいいか」ではなく、「東京みたいに地元を賑やかにするにはどうすればいいか」という問いの立て方をしているからで、問いの立て方に無理があるんです。
 ただ、そこでさらになぜ「東京みたいに」しなければならないのか、というと、政府が、「地方を東京みたいに整備してしください」という名目の上に、地方交付金(だっけ?)を発行しているからで、道路を作ったりショッピングモールを作ったり美術館を作ったりしないと、自治体の財政が逼迫されるからなんですよね。
 一筋縄ではいかない闇を田舎は抱えてて、ただ単純に「自然があるから田舎がいいよね」みたいに短絡的に考えてしまうと、無理が出てくる。


 温暖化に関しては、マイバッグやアイドリングストップも、決して無意味、というわけではないと思うんです。RPGだって、最初の土地でレベル上げしないと次に進めない、というのと同じで(笑)。
 ただ今の環境運動で言うと、RPGに例えるなら、スライム相手に経験値1ずつ上げてレベル99になったのを自慢するか(「小さな積み重ね」の総量を自慢するか)、ろくに戦闘もせず話ばかり先に進めて突然大魔王に出くわして詰んでしまうか(理論武装も考証分析もせず行動ばかりを優先させて沈没するか)、というのが非常に多い。
 ちゃんとレベル上げをした上で、レベルが上ったら次に話を進める、という手順を踏んでいかないといけないと思うんですよね。
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