生き抜くコツは、辞めないこと

 地元の松屋に、50代半ばくらいのおじさんともおじいさんともつかない男性が、アルバイトで入ってきた。
 おそらく前の会社をリストラされたか、会社が倒産したか、なんにしろ、50代も半ばになって松屋にアルバイトで入ってくるには相当差し迫った理由があったのだろう。
 そのおじさん(ということにしておく)は、仕事だというのに金髪に思いっきりマスカラをつけた、コギャルみたいな先輩に、半分からかわれながら、仕事を教えてもらっていた。

 それから半年後。
 しばらく松屋からは遠ざかっていたのだが、松屋の箸が割り箸からリユースの箸に変わったというので、久しぶりに松屋に寄ってみたら、そのおじさんは、アルバイトのチーフとなっていて、深夜班の班長として、店を取り仕切っていた。

 おじさんは見事に打ち克ったのだな、と思った。

 電気グルーヴというテクノユニットが、つい先日8年ぶりの新譜を発表した。当時30代前半だった2人は、既に40代を越えていた。
 その新譜に関するインタビューで、8年ぶりの活動再開にも関わらず、いまだに注目を浴び続けることについて、芸能界で生き抜くコツを問われて、
 「辞めないこと」
 と答えたのだそうだ。
 落ち目になろうが、仲違いしようが、活動を休止しようが、解散せず、引退さえしなければ勝ちだ、と。

 生き抜くには、辞めないことだ。
 午前1時。だから私は、どんなに帰宅が遅くなろうとも、今日も書くことを止めないのである。

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