春の夢の帝国

 (昨日記事が書けなかったので、今日2連投。前の記事も読んでね。)


 一応接客業をしている関係上、予算と言うか、売り上げのノルマがある。
 私はお客様に喜んでもらえればそれでいい、と思っているタイプなので(だからいつまでも出世できない)、全然売り上げがどうこうなど気にしないのだが、他の人にとっては、まず売り上げこそが第一命題のようだ。
 今日は良かった、昨日は悪かった、波が来ている、波が終わってしまった、もっと来るはずなのに、あといくら売らないとやばい、・・・そんな会話が毎日のように繰り返され、それこそ気性の荒い人だと10分ごとに一喜一憂を繰り返しているのだが、そんなに一喜一憂を繰り返していて、疲れないのだろうか、と思う。


 平家物語の序文にあるように、諸行は無常であり、すべての物事はただ春の夢の如く移ろい行く。
 芸能界を見て、政治を見て、社会を見て、私たちは、盛者必衰の理をひしひしと感じ続けてきていて、もう今となっては、一度スターダムにのし上がった人を見ても、「ああ、この人はいつ墜ちるんだろうか」と感じるようになってしまっている。
 ある種、この国は「ニヒリズムの帝国」と化している、ということだが、斜陽族がいて、堕落論があり、そして「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 」と謳われるこの国においては、斜に構えて物事を見ることこそ、民族の本来の姿なのかもしれない、とも思う。


 環境問題でも、少しグッドニュースがあると「世界がエコロジーに向かって動き出している、ということですね!!」と喜んだり、逆にバッドニュースがあると「こんなことが許されていいんでしょうか!!」と憤怒したりする。
 あまり騒がないほうがいいのだ。春の夢が終われば、またすべては移ろい行く。

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