心ない人々

 心はどこへ行ったのだろう。

 格差社会と言われる。
 金のない人は、その鬱屈感と経済的理由から、環境を破壊する選択を取らざるを得ず、金のある人は、その優越感を全能感から、「環境を破壊する権利を得た」と豪語する。

 心はどこへ行ったのだろう。

 誰もが、こんな世の中は間違っていると言う。
 学のない人は、論拠脆弱なシュプレヒコールをあげ続け、学のある人は持論こそが世界を救う唯一の道なのだと、他者を蹴落とし、罵倒することに精を出す。

 心はどこへ行ったのだろう。

 都会は人の繋がりが希薄で、誰もが孤独なのだと言う。だが田舎は、人のつながりからはみ出た者の受け皿がなく、年間の自殺者が都会を軽く越えるという。


 貧乏な人がいて、金持ちの人がいて、頭がいい人がいて、そうでない人がいて、都会に住む人がいて、田舎に住む人がいて、

 すべからく、すべての人が「心」を失っている。

 「こころない人」と言われる。心は、どこへ行ったのだろう。