牙を剥く老人

 ガソリン税が復活した。

 ガソリン税の復活により、ガソリンがリッター125円から一気に160円台に高騰した。特に地方に住んでいて、自動車が主な移動手段にならざるを得ない人たちの生活は大きな打撃を受け、東京でも、その前日、値段高騰前にガソリンを給油して、少しでも家計への打撃を減らそうと、ガソリンスタンドに長蛇の列を作る自動車の姿が、新聞により報道されている。

 2000年初頭あたりから、国の財源は相当に逼迫していて、個人資産が潤沢な日本では、近い将来国が個人資産を食い潰す政策を加速化させるだろうと予想されていたので、今回のガソリン税復活も、ある意味「想定の範囲内」ではあるのだが、ここにきて、今回のガソリン税や、消費税を10%~15%に挙げようという議論が持ち上がったりと、国が本格的に庶民に牙を向け始めたな、という感がある。

 国もそうだし、今や企業が社員に対して牙を向ける動きも加速化していて、ついこの間も、日本電産という会社の社長が、「休日出勤を社員全員が行っているから、わが社は業績を伸ばしている。休日に休みたいヤツは会社を辞めればいい」という主旨の発言をして、社会的なバッシングを浴びた。
 
 おそらく、官僚や政治家といい、企業のトップといい、いわゆる「既得権益」を保持していた老人たちも、これまでは真綿で首を絞めるような形で庶民から搾取し、現状の既得権を守っていればそれで良かったものが、本格的に庶民を苦しめ、攻撃していかないと既得権が維持できなくなったくらいに、この国全体が脆弱化しつつある、ということなのだろう。

 これからこの国では、「幸福=脱出」という考え方をしていかなければならなくなるだろう。
 それは物理的に海外に脱出する、という意味も含むし、企業に雇われるのではなく、気の合う仲間3~5人くらいが集まって、独自に事業を展開する「スモールオフィス」という考え方を、就職の際に選択肢として考慮し、既得権を持つ老人の牙から脱出する、という意味もある。

 国も、自治体も、企業も、この国のトップに立つ人たちは、明らかに焦っている。
 これまでは「逃げ切り」という形で、搾取できるだけ搾取しておいて、さっさと一線を退いてしまえばいい、という考え方だったものが、これからは「強奪」という形で、私たちの資金や、幸福や、安定を奪いに来るだろう。
 
 これからは、私たちも、老人たちをどう「隔離」するか。そのことを考えなければ、幸福な人生を築くことは難しくなってくるだろう。