2008年05月09日
春の夢の帝国
(昨日記事が書けなかったので、今日2連投。前の記事も読んでね。) 一応接客業をしている関係上、予算と言うか、売り上げのノルマがある。 私はお客様に喜んでもらえればそれでいい、と思っているタイプなので(だからいつまでも出世できない)、全然売り上げがどうこうなど気にしないのだが、他の人にとっては、まず売り上げこそが第一命題のようだ。 今日は良かった、昨日は悪かった、波が来ている、波が終わってしまった、もっと来るはずなのに、あといくら売らないとやばい、・・・そんな会話が毎日のように繰り返され、それこそ気性の荒い人だと10分ごとに一喜一憂を繰り返しているのだが、そんなに一喜一憂を繰り返していて、疲れないのだろうか、と思う。 平家物語の序文にあるように、諸行は無常であり、すべての物事はただ春の夢の如く移ろい行く。 芸能界を見て、政治を見て、社会を見て、私たちは、盛者必衰の理をひしひしと感じ続けてきていて、もう今となっては、一度スターダムにのし上がった人を見ても、「ああ、この人はいつ墜ちるんだろうか」と感じるようになってしまっている。 ある種、この国は「ニヒリズムの帝国」と化している、ということだが、斜陽族がいて、堕落論があり、そして「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 」と謳われるこの国においては、斜に構えて物事を見ることこそ、民族の本来の姿なのかもしれない、とも思う。 環境問題でも、少しグッドニュースがあると「世界がエコロジーに向かって動き出している、ということですね!!」と喜んだり、逆にバッドニュースがあると「こんなことが許されていいんでしょうか!!」と憤怒したりする。 あまり騒がないほうがいいのだ。春の夢が終われば、またすべては移ろい行く。
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2008年05月09日
誰が地球を救う役を買って出る??
(最近格差とか階層とかばかり言っている気がするが、環境問題を語る上で、格差の問題は外せない気がするし、そもそも日本という国が破綻しそうな状況で、世界の危機に目を向ける余裕を維持できるのだろうか、という懸念がある。) 我が区足立区は、現環境大臣鴨下一郎氏のお膝元だけあって、割と環境運動に熱心だ。来月6月には、足立区独自の環境サミットが開催され、鴨下大臣はもちろん、アルピニストの野口健さんや、『不都合な真実』翻訳でもおなじみの枝広淳子さんなど、層々たるメンバーが集まる予定になっているようだ。 毎週区民に配られる区報があって、今週の区報は「足立区が地球を救う」と題して、足立区民が先頭を切って地球に優しい街づくりを目指しましょう、という主旨の記事が並べられていた。 その記事の副題の中に、「足立区民の65万歩が地球を救う」というものがあったのだが、65万人全員が1歩を踏み出すのは、さすがに無理なのではないか、と少し考えてしまった。 「日本は・日本人は」という主語は既に破綻している、とよく言われる。 例えば、渋谷で深夜0時にマックのハンバーガーを地べたに座って食べている青年と、表参道でプラダのバッグを買った後衝動買いでディオールのワンピースも買おうかしらと画策する婦人と、本所の町工場で学習机に取り付けるねじの大きさが合わないとタバコを吸いながら愚痴っているおじさんと、新宿の高架下で今日ゴミ箱から拾ってきた少年ジャンプを並べて売りさばこうとしているホームレスと、六本木の高級料亭の個室を借り切ってふたりきりの結婚記念日をささやかに祝いあう夫婦を、人括りで「日本人」と表現するのには無理がある。 それだけ日本も階層化が進んできて、いや、厳密に言えば情報供給の進歩により、それだけ日本も階層があったことが分かってきて、もう「日本の皆さん」とか「日本人のみなさん」と叫んで、振り向いてくれる人は誰もいなくなってしまった。 そういう意味で、これからは「どの層に向かってメッセージを発信しているのか」そのターゲットも明示しなければ、メッセージは届かなくなるだろう、と言われていて、事実いわゆる婦人誌や青年誌などは、軒並み部数を減らし続けている。 環境問題もそれと同じで、「区民のみなさん」とか「国民のみなさん」という形で、あらゆる層の人々に一律で環境運動に望ませようとするのは無理があって、そういう意味で、すべての人たちに一律にリスクを分散する、という計算方法には現実性がない。 今環境問題に興味を示さない人々に、環境運動を問いかけることに意味がない、と言いたいのではない。 初めから、あらゆる層の人々が一斉に環境運動にとりかかるだろう、という見込み概算で物事を発想するのは、さすがに皮算用なのではないか、と思うのだ。 おそらく今現在のこの国の情勢からするに、何をどう言おうと、環境問題に興味を示さない層は必ず存在する。 そういう意味で、区民65万人すべてにリスクを分散できるように訴えるよりは、そのうち20万人程度はさっぱりと切り捨てて、残り45万人で、65万分のリスクを賄うにはどうすればいいのか、を考えるほうが、現実的な気がする。
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