2008年06月08日
囁き
これは書かなくてもいいな、と思うことが増えた。それだけ世の話題にがっつくことがなくなった、ということでもあるし、それだけ臆病になった、ということなのかもしれない。 本当のことはなかなか言えない。 現実は表の顔で、ネットでは裏の顔なのだから、ブログでは言いたいことをなんだって言える、と思っている人は多いし、実際に傍若無人に振舞うネットユーザーも多いが、匿名だろうが実名だろうが、表の顔だろうが裏の顔だろうが、ネットにだって人間関係がある。心配されると申し訳ないな、と思うし、怒られるとこちらも腹が立つし、ほめられると嬉しかったりもするから、ネットでだって、常に他人の顔は意識するし、そう考えるし、あまりおおっぴらに本音も言えない。 本当のこと、というのは、建前と逆の本音だとか、誰もが誤解している真実だとか、世の問いに対する答えだとか、そういうことではなく、要するに“ミもフタもないこと”のことだ。 ベジタリアンだけど吉野家の匂いに惹かれる、とか、世の中のためにとか言っているけど本当は女にモテたいだけだ、とか、政治の腐敗を嘆いているけどじつは実生活に影響がなければどうでもいいと思っている、とか、今日の弁当を持参したのは、ゴミを減らしたいからじゃなくて本当はパチンコですって金がなくなったからだ、とか、瞑想の途中で寝たことがある、とか、そういう他人から見れば一笑に付されるような、どうでもいいことが“本当のこと”で、じつはこういう本当のことほど、他人に語る機会はほとんどない。 人間だから、他人から良い人だ、と思われたいし、あんまり醜い部分は見せたくない、というのが本音だ。 だからこそ、人は叫ばずに、囁くのだ。この小さな部屋の片隅で。
- posted by よっひ~ |
- 22:12 |
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