2008年07月03日
「エコは環境破壊だ」と言われる日
中国やインドなどの新興国で、先進国に売却するためのCO2の排出が急ピッチで進められているらしい。 改めて考えると、まあそりゃそうだな、という話だ。 排出権“取引”と言うからには、商品がなければ取引が成り立たないわけで、排出権取引が取引として成立するためには、どこかで誰かがCO2を排出し続けなければならない。 先進国が京都議定書のCO2削減目標を達成するためには、どうしても排出権取引に頼らざるを得ない。そのため、CO2を大量に排出している国に頭を下げて、CO2を買い取らなければならないのだが、特に新興国ではそこに目を付けて、わざと取引するCO2排出量を小出しにすることで、CO2の単価を吊り上げる動きも活発化しているらしい。 今やCO2は「金の卵」として、ユダヤにおけるダイヤモンドのような扱いを受けているのである。 もう一つ。 バイオ燃料に使われるとうもろこしを栽培するために、森が破壊されている、という指摘はもうかなり前から行われていたが、最近では、無添加のせっけんに使われる油脂などの、天然素材を栽培するために焼畑や森林伐採が行われるケースも多発しているらしい。 徐々に皆がエコに目を向けるようになって、天然素材・無添加素材が注目を集めつつあるが、それに伴う需要の高騰により、「地球に優しい製品を作るために森を破壊する」というケースが増えてきている、と言うのである。 どちらも新聞に書いてあった話だ。 かつて、エコロジーを浸透させるためには「損得勘定」に訴えかけなければならない、というようなことをよく言われた。 つまり地球に優しい、というだけでは人は動かないので、「省エネ家電を買えば、結果として電気代も安くなる」とか、そういう消費者心理に訴えることが、エコを広めるコツだ、みたいなことをエライ人たちは言っていたのである。 だが、その結果、エコロジーは外交のカードとなり、取引の材料となり、一攫千金の夢となった。 そして結局、「環境破壊」というカードを保有する国が、エコロジーというゲームの主導権を握る構図ができあがってしまったのだ。 何をやっているのだろう。 おそらく近い将来、排出権取引のために、先進国は「お願いですからどんどんCO2を排出して、私たちに排出権を買わせてください」と新興国に土下座して頼まなければならない、という時代がやってくるだろう。 「海を汚さない洗剤を作るために、どんどん森林は伐採してしまいましょう」と声高に訴える企業も出てくるかもしれない。 このまま、今の状況が続けば。続く、と仮定したら、 「エコロジーとは、環境を破壊する行為の総称である」と辞書に記される時が来るかもしれない。 何をやっているのだろう。
- posted by よっひ~ |
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