2008年04月26日
本日のエコロジー記事
グリーンランド氷床の「消える」湖、水の抜けるシステムを観測 【4月24日 AFP】グリーンランド氷床の表面に融水がたまってできた湖の水が、氷床の底から急速に排出される様子をとらえた研究が前週、米科学誌「サイエンス電子版(Science Express)」に発表された。 ウッドホール海洋研究所(http://www.whoi.edu/)の氷河学者、Sarah Das氏と米ワシントン大学(http://www.washington.edu/)のIan Joughin氏は2006年7月、面積5.6平方キロ、水量0.044立方キロの湖の水が、厚さ1キロの氷床を貫通し、氷床底面から排出される様子を観測した。 約90分の間に湖の大半は「風呂の底から水が抜けるように」消え、24時間後には湖は空になった。排水速度は最大時、ナイアガラの滝(Niagara Falls)の平均流速を上回ったという。この現象は「水圧破砕システム」と呼ばれている。 夏季になるとグリーンランドの氷床上部には溶けた水がたまり、数千個の湖が形成される。これまで衛星写真によって、こうした湖が毎日少しずつ姿を消すことは知られていたが、水がどこへ行き、氷の流れにどのような影響を与えるかについては明らかになっていなかった。 研究によると、氷床表面に一定以上の大きさの亀裂や穴があった場合、それらを満たすに十分な水があれば氷に浸透し、氷床の底までを貫く「パイプ」が形成される。この融水による効果により、氷床をゆっくり流れている氷の移動速度が50-100%加速されている可能性があるという。 Das氏は「このような現象に関する仮説は数十年も前からあったが、氷床表層で溶けた水が厚い氷の底まで移動する様子を観察するのは非常に難しいため、現象の存在が長年議論されてきた」と述べている。
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